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大日運輸株式会社様 後編

 
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大日運輸株式会社様 後編

前回に続いて、大日運輸様のお話、後編になります。
ものづくり前夜から本格的なものづくりへの道、そして未来に向けてのお話です。
試行錯誤しながらも石井社長のお考えのもと、全社一体となって取り組まれている姿が伝わればと思います。

主力商品である、「くの字型」パネル。日々多くのオーダーが入ってきます。

ものづくり本格始動。

で、倒産の危機から取引メーカーの勧めもあり、ものづくりのきっかけに触れました。後半は本題のものづくりの道のりと未来についてお話いたします。

メーカーから勧められたものの、ものづくりのノウハウは当然ゼロです。製作物は家の外壁の角の部分に当たる「コーナー材」という部分です。当時はメーカーのパンフレットに掲載されている定形品の製作を打診されていました。

後がない状態の中で、かつての商社時代を思い出し、新たな事業への参画を決断します。ここで石井社長が密かな自信があったのは、理系出身だったからだそうです。ものをつくることは理屈で理解はできていましたし、耐久検査や強度テストを出身大学のお世話になった教授に依頼したりと着実に歩みを進めることができました。試作初期は粉塵が舞い、倉庫内が真っ白になり、全社員のひんしゅくも買ったこともあったそうです。しかし徐々に機器なども揃え、商品化までの足場を固めていきます。

生産の次は販路となりますが、こちらも前半に書いていた現場の話に戻ります。

当時、現場での変更にメーカーも頭を悩ませていましたが、逆に大日運輸様がメーカーに代わって、現場と直接交渉し、次回の納品日程を決めて行ったお話はいたしました。運行スケジュールの引き直しも大変でしたが、結果的にメーカーから重宝され、現場からは「大日運輸は融通が効いてやりやすい」と評判になり、現場が変わっても施工会社から大日運輸様が指名されていきます。一番面倒なことを愚直に実行したことで両者からの信頼を得て、他の運送会社にマネのできないポジションを確立されました。そうすることで、配送部分を押さえるとともに、自社で製作した外壁材もオーダーされ、二部門の売り上げが上がることになります。

二つ目の転機。オリジナル品への挑戦。

現場でも信頼を得てきた大日運輸様ですが、今度はまた「新たなものづくりチャレンジ」がやってきます。

それは施工現場からの声でした。

「コーナー部材はメーカーの既製品だけではうまくいかない。大日運輸さんは既製品を作っているから、各現場に合ったサイズも作れるだろう。材料は来てくれた車で持って帰られるわけだし」と言われます。そう、オーダーメイド品へのチャレンジです。

現場に信頼されているからかかる声とはいえ、普通に考えるととても手間がかかる仕事で、多品種小ロットの製品は大きな利益が見込めるものでもありません。

しかし石井社長はお客様からの信頼の証で、「機能を磨いてニーズに応えた結果」だと思い、製作に踏み切りました。

これが二つ目の大きな転換点となりました。

こちらも「オーダーの受け方」から、「作業員の一歩を縮め、生産性を上げるための工場のレイアウト変更やそれに伴う効率的な動き」など、とにかく考えられることはとことん試行錯誤し、追求していきました。同業他社にも社員を視察に送り、違いを見つけ出し、そのかいあって、多品種小ロット生産でもなんとか採算が取れるようになりました。

現在ではスムーズに稼働し、会社の柱の一つとなっています。

そして今後はまた新たな製品を開発しようとしています。

現在の家の外の柱をカバーする外壁材の形は「くの字型」が主流です。しかし、くの字型では、組み合わせた時に目地が合わないことが多く、外見が美しくありません。この課題を石井社長はいつも気にされていました。そこで発想の転換として、くの字ではなく「コの字型」を製作しました。それにより正面の見える部分の目地がきれいに簡単に貼ることができるようになりました。既成概念にとらわれず、専門家外の視点があるからこそできた商品だと思います。これから現場に積極的にアピールする予定です。

そして今後の目標は、建築材料に関してのバリューチェーンの構築を目指されていくそうです。

運送会社がなぜものづくりをしているのかと興味を持ち、取材をさせていただきましたが、それまでの人との出会いや創意工夫が作りあげたストーリーだと分かると、今後もどんな続きがあるか、楽しみになってきました。

いつもお客様のために挑戦し続ける大日運輸様のものづくりに注目していきたいと思います。

新しい視点からオリジナル開発された「コの字型」パネル。今後需要が増加すること間違いありません。
石井肇社長。この素敵な笑顔で、今回多くのお話を語っていただきました。

製作フロー

1. オーダー表(サイズ・数量が書かれたもの)が送られてきます。

2. オーダー表のサイズに合わせてカットします。(日々多くのオーダーがあります)

3. パネルを接着します。材質によって使用する接着剤が違うので、ラインは数本あります。

4. 接着剤のバリを取り、きれいに削ります。

5. 塗装します。

6. 乾燥炉に入れて、乾燥させます。

7. 当日朝に準備をして、配送します。

  納期は約1.5日

製作フロー2  オーダー表のサイズに合わせてカットします。
製作フロー4  接着剤のバリを取り、きれいに削ります。
製作フロー5  塗装します。色は数種類あります。
製作フロー6  乾燥炉に入れて、乾燥させます。
製作フロー7 当日朝に準備をして、配送します。
「コンセプト」と
「ストーリー」を
重視した制作手法
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