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大日運輸株式会社様 前編

 
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祝・第一回投稿。

大日運輸様との出会いは、昨年加入した「門真市ものづくり企業ネットワーク」でした。
組織にとってクリエイターは初めての入会ということで、興味を持っていただき、会の運営や活動についてお話しいただきました。
そして私自身は大日運輸様のビジネスに興味を持ち、今回取材をご依頼し、快諾いただきました。
メーカーブログの当初の目的通り、会社案内やホームページでは掲載できないような裏話やご苦労されたお話をお聞きし、原稿にできたことはただただ感謝です。
お話は前編、後編の二部となりますが、まずは前編をお楽しみください。

倉庫と工場が一体となった建物。運搬する大型トラックも頻繁に往来しています。

運送会社がなぜ「ものづくり」に?

大日運輸様は門真市を拠点に、建材を倉庫で管理し、配送。そして現場で出る外壁端材を利用し、各建物に合ったサイズの外壁コーナーの特注品を製作するという日本でも珍しいビジネスモデルを展開されています。

「運輸」の社名から「ものづくりメーカー」でなく、運送会社ではないかと思う方も多いと思いますが、今回取材させていただいたのは、その違いがあるからでした。

大日運輸様は1956年(昭和31年)に石井運送店として創業後、1971年(昭和46年)に株式会社に改組されました。創業後、数年経ってから建築資材の配送を始めたそうです。

転機はバブル崩壊後。創業者の長男である石井肇さんが入社した時期にメイン顧客のA社の商流の変更から、大日運輸様が配送担当から外されることになります。そのため、業績は一気に悪化するどころか存続の危機にまでなります。

そこで石井さんはA社の勧めと発想の転換で「ものづくり」の道を思いつき、推し進めていくこととなります。

商社での発想が生きる。

ものづくりのお話の前に石井社長が大日運輸様に入社される前のお話をいたします。

大学時代から会社を継ぐことは意識されていたそうですが、世の中の仕組みを広く理解するため、川上であるメーカーと川下であるユーザーの中間(川中)に位置する商社に入社されます。

この選択が今のものづくり事業の始まりになっています。

入社当時、上司より「商社はものを作るところではない。机と電話があれば、商売はできる。その分頭を使え」と教育されたそうです。そして業界の中では中規模の企業だったため、正攻法でなく、時にはみんなを「あっ」と驚かすようなビジネススキームを考える必要があったそうです。

その当時に思いついたビジネスモデルが、「配送現場でものを作る」ことでした。担当会社様の中に用紙を運んでいる会社がありました。用紙は四六判や菊版など規格によりサイズが違います。急なオーダーに対応するためには各サイズの用紙を保管する必要があり、相当な場所を取ることになります。そこで当時の石井社長はこの企業様に「倉庫内に断裁機器を入れて、その場でオーダーに応じて製品を作る」ことを提案しました。もちろん運送業と加工の仕事は畑違いで、機械の導入コストもかかります。しかしこの決断をした企業様はその後、売上をかなり伸ばしたそうです。

ものづくり前夜。

ここで大日運輸様の建材運送の話に戻ります。通常の運送の流れは倉庫内に建材を置いておき、建材メーカーから「○月×日に、□□市△△町X番Z号に外壁材YY本を持っていってください」と連絡が来て、現場に納品します。しかし現場は日々状況が変わるので、メーカー様の注文通り運んでも、工事の遅れや雨などで「今日は必要ない」などと当日の朝に言われることは日常茶飯事だそうです。そのため持ち帰りとなり、翌日の予定が立て直しになるなど、建材メーカーは対応に追われます。

そこで大日運輸様が再配達日を何度も現場と話し合い、決定し、運搬もコントロールすることで、メーカー、現場の両者から信頼を得たそうです。

ここから徐々に流れが変わってきます。

そして両者から信頼を得た大日運輸様は、ここからものづくりの道に本格的に入っていきます。お話は後半に続きます。

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